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釜石医師会報

No.324 平成28年6月号

Arlington Row Bibury
アーリントン ロウ バイブリー

昨年8月お盆休みを利用して英国ロンドンのみのツアーに参加した。日程は1週間の予定で計画。その中にあったコースで、コッツウォルズ地方のバイブリーの村の中で有名なアーリントン・ロウでの風景です。この場所はイングランドでもっとも美しい村と評されている場所で、14世紀に建てられた 独特のはちみつ色の壁の石造りのつながった家が残っており、今も人が住んでおります。まるで絵本から飛び出してきたようなのどかな美しい景色でした。

堀耳鼻咽喉科眼科医院  堀 晃

巻頭言

消化管内視鏡検査の日進月歩
釜石ファミリークリニック  田澤 秀樹

 消化管内視鏡検査は平成に入ってから急激な進歩を遂げている。
 小生が入局した昭和62年当時は、まず胃腸症状を訴えた場合、消化管の精査は胃透視・注腸透視が第1選択で、異常が認められた場合に内視鏡検査が行われていた。その後徐々に透視は衰退し、内視鏡検査が第1選択となった。
 入局当初の内視鏡はファイバースコープであったが、電子内視鏡が開発され、岩手医科大学でも平成3年頃に導入された。最初の電子内視鏡はハレーションがきつくファイバースコープの方が観察しやすかった。開発は進み3世代目頃より電子内視鏡での観察はもとより治療もしやすいものとなった。
 当院では2年前より7世代目の白色光と狭帯域光NBI(Narrow Band Imaging)による通常観察と近接拡大観察が可能なハイビジョン対応高画質(HQ画質)スコープを導入した。その結果5mm以下の微小癌も数多く見つかるようになった。だが、高機能になると観察は楽になるかと思いきや、画像が鮮明に見えすぎることで逆に時間がかかるケースがでてきた。胃炎が強い時には早期胃癌との鑑別が必要な所見が多いため、NBI拡大観察を駆使するようになったためである。また、食道の観察も往路か復路のいずれかでNBI観察を行っているため撮影枚数も大幅に増加した。そのため患者さんへの苦痛を軽減させるためにも、技術を高める努力が必要である。
 内視鏡治療可能な早期胃癌が見つかると専門医に紹介となる。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)をしていただいた後の報告書を見るのが楽しみである。胃癌は同時多発性・異時多発性の多い癌である。「別な部位にも早期胃癌がありいっしょにESDをしました。」との報告をみること3度。愕然とすると同時に感謝の気持ちでいっぱいになり、さらなる注意深い観察を誓うのである。 
 最近、健康診断でヘリコバクターピロリ抗体・ペプシノーゲン検査や胃がん健診でヘリコバクターピロリ感染胃炎の追加で2次検診を受ける方が増加した。また、胃がん検診も内視鏡検査の時代になってきた。早期癌が見つかることは患者にとって大変良いことである。私見であるが、6か月から1~2年程早く見つかっている印象がある。経口内視鏡より経鼻内視鏡検査の方が楽と言われることが多い。経鼻内視鏡には現在のところハイビジョン対応機はまだない。早期の開発が待たれる。

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