背景色
文字サイズ標準

釜石医師会報

No.296 平成23年10月号

遠野市附馬牛大出 早池峰神社拝殿

大出早池峰神社神楽は古事記や日本書紀、日本神話などのことを昔の儘に受け継いでいる優美な神楽です。宵宮でここから神楽を見るととても幻想的です。素朴で自然と頭の垂れるお社です。

冬ちかみ あらしの風と はやちねの
やまのかなたや 時雨そめけむ

岩井 利男

巻頭言

道又 衛

東日本大震災から既に半年以上経過しました。遅々として進まない被災地の復旧・復興。テレビや新聞では、いろいろな政治家の思惑尽くめの政治発表。被災地を訪れては一票欲しさの「復興に向けてすぐにでも各省庁と協議して、実現に向け検討します。」。東京に戻れば、党内闘争や各党間の闘争。国で復興計画が決まらないので、地方は一歩を踏み出せない。政治というものに対する無力感ばかりが目立ってくる。

対照的なのは民間の日本の底力です。これまでの目を見張るほどの復興は、頼れない政治を諦めて、被災地住民の日常の生活を取り戻したい強い意思と行動でした。そして地方の行政に携わる行政マンの頑張り、そしてなんといっても各地域からの自衛隊、警察官、ボランティアの方達に負う処大でした。国会議員さんも彼らと寝食を共にしてみれば、この国に必要なもの何か見えてくるのでしょうに。襟を正すべき時は今です、議員さん達。

いろいろな美談としてマスコミに取り上げられていますが、その時その場で為すべき事を行ったまでだったと、当事者は語っています。皆が為すべき事、語るべき事を率直に行う事こそ今必要な事だと思います。

(C) Kamaishi Medical Association All rights reserved.