背景色
文字サイズ標準

釜石医師会報

No.373 令和6年8月号

『ウェストン碑』

毎年6月、第1週の日曜日に長野県上高地で「ウェストン祭」が開催されます。主催者は日本山岳会で、開催担当は同会の信濃支部となっています。昨年同支部長として活躍している友人Aさんの誘いがあり、妻と一緒に参加しました。
ウォルター・ウェストンはイングランド国教伝道協会の宣教師として来日し、槍ヶ岳や穂高岳に登頂しています。その記録は「日本アルプスの登山と探検」として1896年(明治29年)に刊行され、世界中に日本アルプスの名前を知らしめた功績で有名です。また日本山岳会の設立に多大な貢献をしたことで「日本近代登山の父」とも呼ばれています。
第78回ウェストン祭はあいにくの雨でした。しかも78回開催中で3回目!の雨とのことでした。前日は晴れていたので河童橋から穂高の稜線を遠望し、若き日の山登りを思い出していました。山に囲まれた上高地、いいところです。

植田医院 植田俊郎

巻頭言

いま釜石医療圏に必要なものとは
NHO釜石病院 院長 土肥 守

最近の岩手県の医療界における一番の出来事は、岩手医科大学の小川理事長先生のご逝去になるかと思います。私自身も大きな影響を受けましたし、広い視野で国を相手にして交渉されたり、いろいろな事を実現したりされた実力者の退場という事で、様々な影響や変化があるかと思います。しかし、巨木が倒れたあとには、必ず若木が成長する自然界の様に、医療においても新しい流れが出て来るのではないかと期待したい気持ちです。
 これからの医療界という事で、形からいえば、マイナ保険証を始めとする医療DXなどがあると思いますが、人口減少と高齢化・世帯人数の減少などを考えますと、必要条件ではありますが、効率化やDXだけで前に進める十分条件とは思えません。先日、コロナ後で久しぶりに脳神経外科の同門会が開催されましたので、出席してみると、昔の様に教授が交代する時に発生しておりました新規開業の話よりも、血縁ではない後輩による先輩方の事業への継承の話の方が多いのに驚き、今やどこまでも拡張する医療業界ではないのだなと実感した次第です。
 現在、釜石では慢性期医療を担当する医療機関が集まり、地域医療連携推進法人を立ち上げるべく、釜石医師会や釜石市とも手を取り合って努力しておりますが、ニーズはあっても、どこまで実現できるのかは、チャレンジしなければならないと思っております。いろいろな事を共同で力を合わせて運営し、古くなった病棟を建て替え・共同事業などでドクターを始めとするスタッフを確保できれば将来性があるのでは、という取り組みです。この取り組みを呉越同舟にならない様に、参加者全員がにこやかに取り組んでいける様に今後も努力したいと考えており、皆さんのご理解やご協力をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

(C) Kamaishi Medical Association All rights reserved.