分県別・岩手の山（山と渓谷社）を気儘に登り始めて4年が過ぎた。本には旧版と新版合わせて67の山が紹介されている。昨年10月雫石の貝吹岳へ登り、何とか全ての山へ足を踏み入れることが出来た。
　登山の魅力は百人百色。自分のような「やっつけ」の初級者にとって、登る度に一つずつ足りないものを揃えていくのが楽しみの一つとなっている。もちろん、天気と空腹が最高のご馳走であるのは言うまでもない。
　最近、モンベル創始者・辰野勇氏著「自然に生きる力」を読む機会があった。不要なものは何一つ持たず、淡々と目の前の作業に没する。そして、暗闇のなか、朝を待つ。コロナ禍の今を生きるためのヒントが書かれてあった。
　登山は日常の縮図と感じる。千年に一度の大震災、百年に一度のパンデミック。変化する生活と変化しない自然。そして、想いだけでは登れないのが山。準備を怠らず不備は次に活かしていきたいと考えている。