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釜石医師会報

No.336 平成30年6月号

みちのくあじさい園 in 一関

一関市の「みちのくあじさい園」です。
6月下旬から約1か月間あじさい祭りが開催されます。
杉山の小路には400種4万株の紫陽花が植栽されており、約1.5kmの散策路を色鮮やかな花を見ながら森林浴する時間はとても気持ちがよかったです。

小笠原内科クリニック 小笠原 善郎

巻頭言

釜石ファミリークリニック 田澤 秀樹

 国内最大級の感染症であるB型ウイルス肝炎およびC型肝炎ウイルス肝炎は長年の経過で慢性肝炎から肝硬変に移行し、肝不全や肝癌、食道静脈瘤破裂などで不幸な転機をとる疾患です。キャリアであっても、組織学的には肝炎を発症している場合があります。また、肝機能検査が正常範囲内であっても慢性肝炎や肝硬変の場合があります。当院では肝機能異常がある時はもちろん血小板が低下している時や内視鏡検査前にHBs抗原・HCV抗体を測定し、ウイルス肝炎をチェックしています。(血小板は肝線維化の重要なマーカー)
 抗ウイルス治療にはインターフェロン治療、インターフェロンフリー治療および核酸アナログ製剤治療があります。C型慢性肝炎や肝硬変に対してはインターフェロンフリー治療が第一選択で、ウイルス学的著効率(SVR)は90数%と高い治療効果が得られています。インターフェロン治療と比較すると副作用はほとんどありません。B型ウイルス肝炎には核酸アナログ製剤治療が行われることが多いと思われます。投与するとHBV-DNAは検出されなくなることがほとんどですが、HBs抗原がなかなか陰性化されず、継続投与が必要となることが課題です。いずれにしても慢性肝炎や肝硬変の進行を防ぐことができ、肝癌の発生を低下させます。
 各病院、診療所で血液検査をする機会は多いと思います。少なくとも肝機能異常が認められたら一度はHBs抗原・HCV抗体を調べていただき、陽性であったら肝炎かかりつけ医や肝疾患診療専門医療機関にご紹介くださいますようお願いいたします。

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