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釜石医師会報

No.303 平成24年12月号

釜石の冬の風物詩

 国立釜石病院の2011年のイルミネーションは、東日本大震災から9ヶ月での開催でしたので、テーマを「鎮魂と復興への祈り」として制作しました。
 電球色を中心とした落ち着いたトーンで、癒しの効果も入るように設計しましたので、見学に来て頂いた多くの方々に大変、好評でした。
 今年も病院スタッフ一同で一生懸命に制作しましたので、ぜひ見比べて頂ければ幸いです。

土肥 守

巻頭言

「大槌町の医療状況」被災後2年目の経過
植田 俊郎

 3.11平成の三陸大津波により大槌町内すべての医療機関が失われた。すなわち県立大槌病院、7ヶ所の医科医院(1ヵ所はちょうど新規開院1ヶ月前の出来事であった。)、5ヵ所の歯科医院、5ヶ所の調剤薬局が全壊したのである。しかし国、岩手県、日本医師会、県医師会、そして全国からの多種多様多大なご支援により大槌の医療状況は大分改善していると考えている。まず県立大槌病院だが平成23年6月末にはプレハブの仮設病院が完成し、今年度はCTも完備された。さらに順次診療環境の整備が進められている。また入院機能を有する新病院の建設計画も進行中であり、平成27年度の完成を目指している。医科開業医は4名が町内に仮設医院、さらに本設医院を開設し診療を行っている。1名は釜石市鵜住居地区の仮設医院で診療中であり、将来的には大槌地区での再開業を計画している。歯科開業医は4名が共同で歯科医院を運営しており、来年度は2ヵ所の歯科診療所が再開業を予定し、調剤薬局は5ヵ所が再開業している。このように被災後の人口減少、住宅環境、労働環境などを加味し考えた時、大槌の医療状況はさほど後退していないと考えている。 このような状況を保っているのは県立釜石病院を基幹病院とした、伝統的な釜石医師会の連携が大きな支えになっていると実感している。今後であるが、前述した新大槌病院の早期開院を渇望している。これにより慢性期入院、心不全悪化等による在宅介護困難高齢者、下気道炎罹患者、非常勤での各種診療科の充実、全国からの医療チームや地域住民への健康講座等の拠点など、大槌町の医療福祉介護に必要不可欠な存在であり、お互いの役割分担を踏まえた、釜石医師会が考える「地域包括ケアシステム」を実践することができると信じている。

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